2016-12-10
2016 年 12 月 9 日、ニューポート・パグネル:
歴代アストンマーティンのなかでも最も知られた 1 台、DB4 G.T.が、この度、ニューポート・ パグネルに本拠を置く「アストンマーティン・ワークス」の手により、25 台限定で「完全復刻」 されることになりました。
DB4 G.T.は、1959 年に発表されるや、アストンマーティンのなかでもとりわけレアで価値 あるモデルとして、たちまちのうちに名声を確立しました。
アストンマーティンがル・マン 24 時間レースで歴史的な総合優勝を遂げたのと同じ年に、 生産仕様の DB4 から進化する形でデビューを飾った DB4 G.T.は、まさに当時のスーパー カーの 1 台だったのです。
DB4 よりも全長が短く、軽く、細身で、伝説的な 3.7 リッター直列 6 気筒エンジンもよりハイ チューンの仕様となった DB4 G.T.は、当時イギリス最速の市販スポーツカーであっただけでなく、シルバーストーンでのデビューレースでスターリング・モスの手により優勝を飾るな ど、生まれたときから栄光に包まれたクルマでした。DB4 G.T.は、1959 年から 63 年まで のあいだに合計 75 台が生産されました。そのうちライトウエイト・バージョンはわずか 8 台 で、そのほとんどは現存しているものの、取引価格は 300 万ポンドを優に上回っています。
それら 8 台の公式に生産されたライトウエイト・バージョンの設計を忠実になぞって開発さ れた DB4 G.T. Continuation(コンティニュエーション:「継続」の意)は、アストンマーティン・ワークスの比類ない経験を活かして、細部に至るまで徹底的にこだわって生産されます。 昔ながらの丹念な手作業と現代的な手法を組み合わせることで、DB4 G.T. Continuationは、エンジン性能、ハンドリング、ブレーキ性能、安全性などを改善する一方、オリジナルモデルの卓越したクオリティや独特のドライブフィール、類稀なキャラクターはそのまま残した クルマになるでしょう。
DB4 G.T. Continuation が「本物」である証のひとつとして、VIN ナンバーはオリジナル DB4 G.T.の最後の生産モデル‐Chassis 0202R-に続く形で刻印され、半世紀もの時を経ながらも、同じニューポート・パグネルで生産された純血のアストンマーティンであること が示されます。
搭載するエンジンは、テダック・マレックが設計した気筒あたり 2 つのスパークプラグを用い る直列 6 気筒エンジンで、その最大 340bhp のパワーは、オリジナルの DB4 G.T.同様、4速マニュアルトランスミッションとリミティドスリップ・ディファレンシャルを介してリヤホイール に伝えられます。ホイールベースを縮めたことにより純粋な 2 シーターモデルになった DB4 G.T.は、ベースとなった 4 座の DB4 よりも、確実に敏捷性が向上しています。ボディ設計もオリジナルモデルのそれに倣っており、チューブラーフレームの上に薄いアルミのアウターパネルを装着。高い組み付け精度とオリジナルへの忠実性を確保するため、昔ながらのハンドワークでボディを仕上げる前に、最新鋭のデジタルテクノロジーを用いてパネルの成 形を行っています。
アストンマーティンの歴史的なコンペティションモデルを記念する DB4 G.T. Continuation は、原則として、サーキット走行を楽しむためのクルマです。
このクルマの販売に伴いアストンマーティン・ワークスは、アブダビの「ヤス・マリーナ」など、 世界の有名なレーストラックを巡る国際的なサーキット走行プログラムを、2 年間にわたって運営していく予定です。旅とドライビングを究極的な形で融合したその企画を通じて、アストンマーティンのトレーニングチームによる、ドライビング・レッスンの機会も提供される予定 です。アストンマーティンを運転してル・マンで 2 度のクラス優勝を飾った(クラシックカーイベント「グッドウッド・リバイバル」の常連でもある)ダレン・ターナーを始めとするプロフェッショナルなインストラクターの助けにより、このクルマのお客様は、エレクトロニクスが導入される以前、サーキット走行が個人の名人技であった時代のドライビングテクニックを学ぶ機 会を得られるでしょう。
今回の DB4 G.T. Continuation のプログラムについて、アストンマーティン・ワークスのコマーシャル・ディレクターであるポール・スパイアーズは次のように語っています。「アストン マーティン・ワークスは、過去 60 年以上にわたって、アストンマーティンのクラシックモデル保存のために、比類なきスキルと経験を捧げてきました。そして今、史上最も偉大なアスト ンマーティンの 1 台であるDB4 G.T. ライトウエイトの復刻モデルを 25 台生産することで、未来に向けた何かを生み出そうとしています。ニューポート・パグネルにある再整備したば かりの近代的工場で生産される DB4 G.T. Continuation は、有名なオリジナルモデルと同 じ場所でハンドメンドされることになります。2007 年に Vanquish S の最後の生産車がラインオフされて以来、アストンマーティンの歴史的なホームタウンで生産される久々のモデルでもあります。デイヴィッド・ブラウンの時代に手作りされたオリジナルモデルを忠実に再現 しながら、その後半世紀のエンジニアリング面および性能面での進化も反映した DB4 G.T. Continuation は、古典的なデザインと現代的な設計・生産手法を、まさに融合させたクルマなのです。また、その結果、非常に素晴らしいマシンが誕生することになりました。これに より私たちは、25 人のお客様に対し、現代の基準で生産され、クルマそのものと同様に特別に企画された国際サーキット走行会でドライブを楽しむためのクラシックカーを注文する 機会を提供することができます。」
アストンマーティン社長兼最高経営責任者(CEO)の Dr. アンディ・パーマーは、次のように 述べています。
「103 年にわたって世界トップクラスのスポーツカーをつくり続けてきたアス トンマーティンには、豊かで心躍る歴史があります。なかでも DB4 G.T.は、特別な名声を 備えたアストンマーティンの 1 台として、我々が誇りとするクルマです。歴代の DB モデル のなかでもとりわけ進歩的な DB11 を発売したのと同じ年に、DB4 G.T. Continuation のような野心的なプログラムに着手できたことは、カーメーカーとしてのアストンマーティンの幅広い能力を証明するものといえるでしょう。アストンマーティンならではの情熱と技術をフ ルに活用したこのプロジェクトを通じ、25 人のエンスージアストの皆様に、アストンマーティ ンの歴史に関わる 1 台を注文するという格別の機会を提供できることに、大きな興奮と喜 びを感じています。」
DB4 G.T. Continuation のデリバリーは、2017 年の第 3 四半期から開始される予定です。