今回ジュネーブでは、AMRからRapide AMRとVantage AMR Proの2台のコンセプトモデルが出展されます。そのうちRapide AMRは、AMRの第一弾となるモデルで、4ドア・スポーツカーRapideの動力性能、シャシー、スタイリングに改良を加えるとともに、インテリアにも特別な仕様を施しています。もう一台のVantage AMR Proは、アストンマーティン・レーシングが誇るWECのチャンピオンカー、V8 Vantage GTEに大きな影響を受けたブランドの頂点に立つモデルで、レースカーのテクノロジーをロードカーに移植する、AMRの「サーキットからターマックへ」の哲学を妥協なく具現したクルマになっています。
今後登場する主要なAMRモデルの開発は、アストンマーティン本社のエンジニアリングチームが担当しますが、AMR Proモデルの開発に限っては、Q by Aston Martinのアドバンスド・オペレーション部門に委ねられることになります。この高度な技量を備えた技術部門は、アストンマーティンの副社長でスペシャルプロジェクトを総括しているデイビッド・キングによって率いられ、Vantage GT12、Vantage GT8、Aston Martin Vulcanといったプロジェクトを手掛けるなど、特に高性能なアストンマーティン開発に関して、豊富な経験を積み重ねてきました。
Vantage AMR Proは、サーキット走行を前提に性能を徹底的に強化した究極のVantageであり、507PSを発揮するGT4レース・エンジンを搭載した史上最もパワフルなV8 Vantageでもあります。レース仕様のアジャスタブル・サスペンションと、競技用に開発されたエンジン/トランスミッション・マウント、ミシュランPilot Cup 2タイヤを装着した新しいフロント19インチ×9.5インチ/リア19インチ×11.5インチのセンターロック・ホイールなどを採用したVantage AMR Proは、卓越したハンドリングと、類まれなグリップ/トラクション性能を提供します。
Vantage AMR Proでは、このようなレースカーのパフォーマンスに、モータースポーツの本質を表現したスタイリングが組み合わされています。Rapide AMRと同様、スターリング・グリーンのペイントにライムグリーンのアクセントを配したVantage AMR Proのカラーリングは、レース用V8 Vantage GTEのそれにならっているだけでなく、ボンネットとリアフェンダーは、WECチャンピオンマシンと同じものが使用されています。
レーシーなデザインは、カーボンファイバーが多用されたインテリアでも一貫されています。インテリアの表装には、シックなダークナイト・アルカンターラを採用して、そこにライムグリーンのアクセントを配しました。さらにQ by Aston Martinにより専用開発されたロールケージも備わります。それらにより、運動性能だけでなく見た目も特別なVantageに仕上がっています。
アストンマーティン社長兼最高経営責任者(CEO)のDr. アンディ・パーマーは、今回の新ブランド発表に際し、Rapide AMRとVantage AMR Proの両モデルを実際に生産することを明言しました。
「アストンマーティンのモータースポーツでの活躍を応援してきたファンの一人として、いつかAMRのようなクルマを実現したいと願ってきました。Vantage GT8やVantage GT12といったクルマにより、我々のお客様がレースの血統を持つモデルを好むことが証明されました。しかし、時として、パフォーマンスをより研ぎ澄ましたクルマをつくる機会が与えられても、生産仕様としては本格的なレースカーのようなモデルには至らないときがあります。AMRブランドにより我々は、そうした機会を実現する完璧なプラットフォームを得ることができました。新ブランドに賭ける我々の熱意が本物であることの証明として、Vantage AMR ProとRapide AMRの両モデルを実際に生産することを約束します。そのうちVantage AMR Proについては、生産を7台に限定させていただきます。Rapide AMRは210台の限定になります。これらのモデルは、非常にエキサイティングなプログラムの最初のステップであり、今後順を追って、アストンマーティンが提供するモデルのそれぞれに、AMR仕様が登場することになります。」