ロータス社としてはなんと14年ぶりとなる新型車です。
イギリスの権威ある雑誌AUTOCARの記事の中で2009年度のベストハンドリング選手権No1を獲得した素晴しい車です。
今までのロータスエリーゼ・エキシージと違う所はどこか?
ロータスはこの車で一体何を提案したいのか?
車に乗り込んで一番に思うのは高級感。パーツ一つ一つの質感があがった事でしょう。
ハンドルの両サイドに付いているボタン式のスイッチはデザイン、押した時の質感共に好感もてます。
シフトノブ、サイドブレーキも革が巻いてあり高級感満載になりました。
たまにチリの合ってない部品はありますがそこは小さな会社なのでこだわれない愛嬌の部分としましょう。
キーを捻ってエンジンをかけるとこれがロータス?と言いたくなるほどのスムースなアイドリングを感じて頂けると思います。
このアイドリングの振動は高級車並です。 そして走り出しても静かでスムース。
安っぽい動きは全くありません。
高速での走行ではこんなに軽量シャーシ(1390kg)なのに乗り心地の良さとスピード感の無さに驚きます。
何よりも走りにこだわるロータスだからこそ出来るこの素晴しいハンドリングも特筆もんです。
エリーゼから踏襲しているアルミとアルミを接着剤で接合すると言う新技術で作られた軽量高剛性のシャーシをベースにして、ロータスはまた新しい価値観の車を作ったのです。
今までよりも安心感があり、スポーツカーに必要な止まる、曲がるがカチッと出来て大人2人がゆったり乗れる。ロータスが提案する新しい大人のスポーツカーがエボーラだと思います。
新世代フェラーリ
ハードとソフトが高次元でバランス
先代になる430スクーデリアと比べてもとんでもない進化を遂げたものです。
触れたい技術は沢山ありますが、今回は特に渡しが感銘を受けた電子制御とマグネライド、この二つを取り上げたいと思います。
458で軽く峠をスポーツドライブをすると、コーナー立ち上がりでの安定性が凄く増している事に気付くでしょう。
それは458から採用されたミシュランの専用タイヤのお陰でもありますがそれだけではありません。一番の功労者はEデフですね。
新しい技術を採用する時はいつも若干の不都合が出るものです。430が発表された時、Eデフのロジックは素晴しいと思いました。
しかし、430を走らせているとドライバーの意に反してEデフが効いてしまいアンダーステアが出ることがあり、そう簡単にF1と同じにはならないんだと思いました。ところが、この458はそう言った不自然さが見事に消え、まさしくF1! 良い車のお手本のようなコーナリングマシンです。
それでいて誰がドライブしても安全な車になっています。
コーナー進入時のオーバースピードはどうしようも無いですが、マネッティーノをスポーツにしておけば、アクセルオンで立ち上がり中のスピンはまず出来ません。
そして、もうひとつ。599で初採用になったマグネライドです。
ショックアブソーバの中のフルードを電流で粘性が変わる磁性体フルードに変更し反応スピードを飛躍的にアップさせたものです。
これには599をドライブした時よりもカリフォルニアの時に感動させられました。
大きなバンプを超えても一発で収まります。乗り心地もかなり良い。
ちなみに乗り心地に関して言うならば一番柔らかいスリッピーモードで430のスポーツぐらい。
レース以上のモードのハードの状態でスクーデリアのハードより更に堅い感じ?だと思います。
つまり硬さは変化がはっきりわかるぐらい幅を持たせてあり、街中では少し硬いかな?と思いますが高速道路でクルージングするとなめらかな素晴しい乗り心地です。
素晴しいうわさばかりだと思いますが、私が感じるのも車のバランスの良さと電子制御の秀逸さが相まって他社メーカーを一気に突き放した新世代のフェラーリだと思います。
355F1の良い所はきっと現代スーパースポーツにない車体の小ささとリトラクタブルヘッドライト最終型ともいえるそのデザイン、そして特筆すべきはフェラーリの中でも量産車で1番甲高いフェラーリサウンドではないでしょうか?
車に乗り込むと360モデナに比べて少し狭いのですが落ち着ける感じです。
ハンドルの角度が少し気になるのですがF40もこの角度なのでこの時代の特徴としておきましょう。
セキュリティーのスイッチを押してキーをひねってエンジンをかけます。エンジンは簡単にかかり、少し暖気してレーシングしてみると4000回転ぐらいからはなんとも言えない美しいフェラーリサウンドがします。
ブレーキを踏んでハンドル右側のパドルを引くと後ろの方でガシャンと言う音がしてメーターの真ん中にあるシフトインジケーターがNから1に変ります。
このガシャンが現在のフェラーリには無くなったのですがこの時代はあったんです。そういえば最近こんな作動音を聞かないな〜なんて思いました。
アクセルを少しずつ踏み込むとクラッチが繋がります。
あまりにハンクラが上手に決まったのでこの固体が当たりなのかと思ったらクラッチのオーバーホール済みで新品なんだそうです。
私にとってF355は360チャレンジとの比較をする為に355チャレンジをドライブしたのが一番最初でした。
その時に感じたのは360のパワー。
そして355の扱い易さ。
まずF355のエンジンは現代スポーツカーと比べるとパワーがありません。10年前の車になるのですから当たり前。
と、言いますか最近のスーパースポーツカーはパワーありすぎです。試乗する時どこのメーカーさんも「トラクションコントロールは切らないでください。」と言われます。
私はそんな事言われると余計に切って乗るのですが(ひねくれ物です)しかし事実殆んどのユーザーさんに500馬力からのパワーはコントロールできません。
では今からドライビングの練習をしたい方には何を勧めるか?この車両は結構お勧めの1台です。
程よいパワーと程よいダルさがあり車のコントロールを楽しく憶える入門用には抜群です。
この個体は355F1、つまりF1マチック(オートマ)です。量産車で考えると世界で一番最初にシングルクラッチをコンピューターでオンオフするF1マチックが採用されたのがこの355F1です。
と、言ってもまだシフトダウン時にブリッピング(アクセルをあおる)なんて気が利いたことはしてくれません。
なのでスムーズに走らせるにはドライバーが補ってドライブするコツが必要になりますし、操作がうまく決まると本当に気持ち良い。
この個体はクラッチをはじめ各部をオーバーホールしたてと言うのがあり操作感が良く、フェラーリサウンドが心に響きいつにもましてお勧めの1台でした。