フェラーリ第2弾は360モデナF1の2000年式です。
私自身久しぶりに360を味わいながらドライブさせて頂きました。
フェラーリ360と言えば私の中では日本でのテストドライバー兼インストラクターをさせて頂いたチャレンジカーを思い出します。
当時日本中のサーキットに先行テストをして廻ったのですがその理由の一番はF1マチックをレーシングカーに初めて導入した車だったからです。
日本のサーキットは海外のサーキットの路面に比べて異常にグリップします。
F1マチックがレース中に問題なく作動するのか?想定できるいろいろなテストをしましたが心配とは裏腹に結果は全く問題ありませんでした。
360モデナもそのレーシングカーであるチャレンジもエンジンもミッションも基本構成は同じです。
こんなに完成度が高いなんて!と驚いたのを覚えています。
8気筒フェラーリの歴史の中で大きくモデルチェンジしたのが355から360です。
特にシャシーで355まではプレス成形したパネルを溶接して作ったスチール製シャシーからアルミの押し出し材で作られたアルミ製スペースフレームとなりました。
それにより車体容積が10%拡大したにも関わらず28%の軽量化に成功しているのです。
つまり、室内の居住性が上がって荷物が乗るスペースも確保できたにも関わらず総重量は軽くなったのです。
スポーツカーとしては完全な正常進化です。
スペックの説明はたくさんできるのですがそれはまた触れるとしてこの個体のインプレッションをしましょう。
ドライバーシートに乗り込みます。
355と360はただキーを差し込み回すだけではエンジンが掛かりません。
キーについているリモコンキーでセキュリティーを解除します。それからキーをひねります。
すると意外に静かにそして普通にエンジンが掛かります。360の操作には難しいところは全くありません。
しかし、街の中では注目度抜群です。意外とハンドルも小回り効きますし、F1マチックのパドル操作も直感的にできる様になっていて初めての人でもすぐゲーム感覚で走らせる事ができます。
それこそ誰でも本物のF1を操っている感じになると思います。
何よりもこの車両がフェラーリだと感じさせてくれるのはアクセルを全開にしてみた時です。
パワー的には現代のスポーツカーの中にあっては少なめですがそこは1350キロという絶対的な軽さが味方についてくれます。
それは気持ち良い加速をしてくれます。
あっという間にん〜キロです。
私は400馬力をちょうど良いパワーだと思います。
速いと感じるけど危険ではないパワーです。
500馬力近くになるとトラクションコントロールはできるだけ外さずに走ってくださいと言ってしまいます。
今回も試乗していてそう思いました。
ちなみにこの個体についているタイヤですが下ろしたてでもう少し走ればもっといい感じになるだろうなと思いながら試乗を終わりにしました。
一番上の写真を見ていただければわかると思いますがこのフェラーリ360F1の良い所はこの均整の取れたスタイリング!
私はしばらく見とれてました。
皆さんもぜひ見とれてくださいね.
今回はF430です。
この車は360の後継として04年のパリサロンでデビューしました。
その半年後オープンモデルのスパイダーがデビューになり、更に2年半後にライトウェイトスポーツモデルのスクーデリアが発表になりました。
公道走行が出来るF430シリーズのラインナップは以上の3種類ですが、どれも完成度の高さから大人気で新車の購入は2年待ちが当たり前でした。
旧モデルである355や360とF430がどれぐらい違うのか?と良く聞かれます。
フェラーリは絶えずF1で培った最新技術を生産車に導入しているので新しいモデルが最良といえます。しかし、どのモデルにもしっかりしたテイストがありますから355、360も十分にドライビングを楽しめる素晴しい車です。
F430がどういう車かは、あらゆる雑誌でいい評価を得ているので周知の事実です。
今回はこの個体に関する評価を中心に説明を進めて行きたいと思います。
この車の登録は2006年です。
凄いのは走る為のメーカーオプション満載でカーボンブレーキ、ロールバー、スポーツシートが装着されています。
エクステリアに目を移すと色は濃いブルーが美しいブルーツールドフランス、ボディーは美しさを保つ為にコーティングしてあります。更にフロント周りは飛び石防止用のフィルムが貼ってありますのでボディーの傷等は殆どありません。もちろん保管は屋根つきの車庫だったそうなので、本当にぴかぴかです。
インテリアはと言いますとこれまた程度は極上です。
街の中をドライブしてみましょう。フェラーリV8はF430から特に大きな変化を遂げています。それまでのV8シリーズはある意味レーシングカーのようでした。その為に何かしら乗り込む時は身構えなければならなかったのですが、F430からはレーシングカーの部分は依然にも増して持っています。しかし、それプラスで何も知らない免許取立ての女性でも気楽に乗れたりする。車としての抱擁力が格段にアップしたのです。
いろいろな要素がありますが、まずエンジンです。エンジンはアクセルに乗った微妙な足の動きを敏感に意のままに車に伝えます。
エンジンのハード的な良さだけでなく、ソフト的な要素もバランスを考えてよく作られている事を再認識できます。発進時のクラッチの繋ぎ方にもそれまでのF1 マチックに乗られて知っている方ならびっくりされるはずです。発進も変速も驚くほど上手にスムーズにクラッチを繋いでくれます。
「あれはフェラーリだから運転に慣れがいるんだよ。」なんてところはどこにもない。ギヤチェンジだってそうです。コンピューターが勝手に変速するオートマモードでドライブしても違和感はありません。至ってスムーズです。
でもやはり楽しいのは、ハンドルについているパドルでシフトチェンジする事です。街中をゆっくりドライブしていても車と対話できます。
ハンドルについているマネッティーノに関してもこのF430からの新技術です。
本物のF1は、いろいろな部品をばらばらで調整したい為に、たくさんのスイッチが付いてます。しかし、F430は競争する為の車ではないので、ひとつのダイヤルスイッチでいっぺんにエンジン、ミッション、サスペンションを統合してドライバーの望む状況にコンピューターが調整してくれるのです。ちなみに街中ではスリッピーモードが最適です。
サスペンションは柔らかくなり、路面からの突き上げ等もなく同乗者も快適です。私は高速道路でも路面の良いまっすぐな所ではスリッピーモードを選びます。ちょっと危険かな?と思えるスピード域でコーナリングさせる時はレースモードにいれる事がありますが一般道ではスリッピーモードで十分です。街乗りの話でも言いたい事はたくさんあります。高速域の事だともっともっとあるんです。でもページが足りない・・・
まとめると高速道路での路面への吸い付き感、ハンドルを切った時の前後のロールバランス、かっこいいだけでなくバランスも素晴しいです。しかも走り屋オーナーさんにもちゃんと対応できるカーボンブレーキとロールバーが入ってます。これは是非サーキット走行したい人にお勧めです。
是非、この最新のフェラーリを実感して頂きたい。
とにかく、街乗りからサーキットまで、すごいパフォーマンスを持つ「間違いない一台」でした。
グラントゥーリズモS(GTS)が発売されると聞いた時にマセラティは一体どんな車をつくってくるのか?
グラントゥーリズモ(GT)の素晴しい完成度を考えるとそれ以上の車が造れるのか?
マセラティに対して大きな期待と小さな不安を持ちながら待っていました。
今、試乗を終えて思った以上の出来栄えに本当に驚かされました。
どちらを選ぶ?と言われるとどちらも捨てがたい。
ベースは同じ2台ですが両方とも全く違うキャラクターあてがわれている。そして完成度は両方共ハイレベルです。
外見上も結構違う2台ですが中身はもっと違うのです。
まずエンジン的には500cc(35馬力)違うエンジンです。
しかし、何より音が全く違います。GTは女性的なおしとやかな美しさがあるイメージですがGTS(スポーツモード)は音量的にも音質的にもフェラーリ並み或いは好みによってはフェラーリ以上と思える官能的でワクワクするようなエキゾーストサウンドです。
そして599と同じと言われるうわさのトランスアクスルMCシフトがまた上出来です。今まではフェラーリとマセラティではシフトスピードやシフトマナーの点で大きな差があったのですがこのGTSはフェラーリとの差を感じられません。
フルオートのモードもあるのですがあまりの楽しさについついマニュアルモードでドライブを楽しんでしまいます。
更に秀逸なのはサスペンションセッティングです。確かにフェラーリと比べるともちろん車重が重い分不利です。しかし、走りにおける満足度は十分同レベルです。
車名通りにGTとして考えるなら車重がある分安定感があり、高速道路におけるハイスピードのロングドライブ等には最適でしょう。
GTSはバランスの良いGTから更にバランスの煮ツメが行われています。
GTのスポーツモードより少し硬いのがGTSのノーマルモードだと思います。
また、ノーマルモードでは排気バルブが閉まりエキゾーストサウンドもかなり静かになりますので家の近くでは静かに、家を離れたら音を楽しむ。
そんな事が純正装着のマフラーにも関わらず出来ています。
ノーマルモードとスポーツモード、ラグジュアリーとアグレッシブ、スイッチ一つで大きく豹変するキャラクターがドライバーにまで気持ちのONとOFFをさせてくれる。
1台で仕事と遊びの両方使える素晴しくおしゃれで楽しい車でした。